霖のあと

詩置場

白髪の少年

昨日の夢の中に出てきた白髪の少年にもう一度会いたい。髪は癖がなくさらさらで、瞳が明るいブラウンで、細身で、肌が白かった。理知的で、彼の話しぶりとその内容から、頭がよく教養もあることをうかがわせた。白いシャツがよく似合っていた。中性的で、ヘッセの小説に出てくるような、または「草の花」の藤木を思い浮かべるような風貌だった。私は彼のパートナー役で、私は女性になったり男性になったりしていた。英語はそんなにわからないけど、辞書を引きながら英語を読むのに夢中になっていて、日本語にない英語の表現を知るとワクワクするのだと話していた。私は彼に「あなたの瞳は美しい」と言った。瞳だけじゃなくて、胸元と首筋がほんとうにきれいだった。

夢の中で、私は死んだり生き返ったりを繰り返して人の子ではなくなっていて、大きな屋敷の一画に住んでいたようだ。とある紳士と共謀して丸々太った夫を殺して食った夫人に、その屋敷を出ることを告げた。人の子でなくなった私は、同じ人の子でない少年と生きることを望んでいた。手のひらの中にあったピンク色の小さな造花を握り締めて。どうにかして彼にまた会いたい。