2022-10-05 名前の主 繰り返す夏と秋と冬と春の中で 繰り返す日の出と日の入りの中で 記憶の糸を解いて 名前を呼んだ 信仰の声色は色褪せ 乾いた習慣を抱いた 名前を呼ぶたび 名前の主の不在を知る 傷跡は触ると治らないから ずっと残しておきたければ 絶えず触っているがよい 記憶とも判別しかねる 記憶を撫で なお名前を呼ぶ